
©2018 アニメ「ウマ娘プリティーダービー」製作委員会
今年放送されているアニメの中でも、結構な人気作に入るんでしょうか?
放送していたクールが終わったぐらいのタイミングで全話をまとめて見ていたんですが、そういえば感想を書いていなかったなと思い、久しぶりに全話を鑑賞しつつ感想を書いて行こうかと思います。
目次
『ウマ娘 プリティーダービー』感想
ラブライブ+男視点
この作品がどのような作品から着想を得ているのか、明確には分かりませんが、そのルートは割と多岐にわたるというか、どうとでも取れるというか。
自分の知っている作品の中でピンときたものを挙げてみると…
- ラブライブに男コーチをプラスしたような
- アニメ艦これに提督がいたら
- アニメ(2期)アイドルマスターのウマ版
他にも色々あるでしょうが、要するに比較的既視感の強い作品という事ですね。
トレーナー(男)を置いた効用
ラブライブや艦これに比べると、やはりトレーナーの存在が大きく効いていたなと感じます。
ラブライブは比較的好きな作品ですが、男要素が皆無な事もあり、どうしてもポワポワした印象になってしまってる所は否定しがたい部分がありました。
アニメ艦これに関しても、提督を置いていたらもう少し違った形になっていたんじゃないかとの思いもありましたし。
もし今作に男性トレーナーが居なかったとしたら、作品自体の印象も随分と変わっていた事でしょう。
そう言った意味では、今作のMVPはトレーナーかもしれません。
主人公が先輩に憧れるのは必須要素?
アニメ艦これの吹雪も、先輩の赤城に憧れる関係性として描かれていましたが、今作でもスペシャルウィークがサイレンススズカに憧れるという関係性が描かれています。
やはりこれは女の子が多い作品において、『百合要素』を匂わせるものとして重用されているんでしょうかね?
個人的には女の子の多い作品での女の子主人公キャラの設定に、もっと工夫が欲しいなという思いを持っているんですが。
とがった部分が見当たらない
この作品を数話見た時点での感想として、とにかく尖ったところがない、アニメを見慣れている人が最大公約数的に許容できそうな範囲のものを「気を使って」作ったな、という印象が強かったのを覚えています。
それは全話見終えた感想としても言える事で、とにかく良くも悪くも作り手的に「無難なところ」を狙ったのだろうな、と感じられる作品でした。
スポーツものとして収まりの良い作風
例えばラブライブの場合、アイドル活動というものを学校の部活動として表現する事で、いわゆる『スポ根モノ』のようなニュアンスを付加しつつ、元のジャンルが持つマイナスイメージ(アイドルで言えば芸能界のしがらみ的なものなど)を上手く払拭出来ていました。
この作品もそれと似たような手法で表現されており、競走馬を擬人化し学校生活の中における部活動(スポーツ)のような形で表現する事で、競馬が持つプラスイメージのみを二次元の世界で増幅して表現出来ていたのではないかと思います。
元ネタとしての競馬
自分は競馬に関してほぼ完全な門外漢ですので詳しくはわかりませんが、どうやら今作のエピソードは様々な史実ネタを活用して構成されているようで、その点を評価している競馬ファンの方もいるようですね。
やはりこういった元ネタありきの作品の場合、元ネタが好きな人にも楽しんで頂きたいですから、その点は非常に良かったんじゃないでしょうか。
笑いあり涙あり
先述のとおり、全体として無難な所を狙った感は強いものの、逆に言えば尖った所もこれと言って無く、舌触りの良い作品になっていたと捉える事も出来ます。
アニメを見慣れている人はもちろん、普段アニメを見ない人にも理解しやすい、明快な物語であったとも思います。
色んな意味で複雑化した深夜アニメが、ここ数年で比較的分かりやすい作品が増えてきたような気がするのは、それはそれで歓迎するべき事なのかもしれません。
ウイニングライブ
中の人を起用してリアルライブをする気まんまんだなぁと思っていたら、どうやらアニメ放送前の時点で既に行っていたようで。
物語中のイベントとして語るのであれば、足が速いだけじゃなく歌や踊りまで上手である事を求められるなんて、ウマ娘大変だなぁと。
スポーツもの感を壊さない意味では、今作での描き方がギリギリのラインだったんじゃないでしょうか。
総括
満足度:★★★★☆
良くも悪くも石橋の上を叩いて渡るような、そんな作品だったなという印象です。
しかし、そんな石橋を叩く事を大前提として、その上でこの作品特有の色を付けようとする努力は見えました。
個人的には、石橋を渡るのはまだしも、叩いてみるまではやらなくて良かったかな?という感触ですが、これはこれで多くの人が楽しめる作品作りという意味では良かったのかも知れません。
全体の流れとしては起承転結が分かりやすいストーリーで、アニメを普段見ない人にとっても理解しやすく、アニメファンにとっても歓迎できる作品だったんじゃないでしょうか。
ひょっとしたら深夜アニメではなく、10代前半の若い子が見るような時間帯に置いてみるのも面白い作品だったかもしれませんね。
全13話、楽しませて貰いました。
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