『りゅうおうのおしごと!』全12話の感想【アニメ全話レビュー】

©白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会

最終話まで見ましたよー「りゅうおうのおしごと!」。

途中までは数話分の感想記事を上げてたんですが、途中でサボったら最終話まで終わってしまったので…全話を見た感想記事にします!

『りゅうおうのおしごと!』全12話の感想

りゅうおうのおしごと歴

最初に触れたのは、このアニメでした。

アニメを7話まで見た段階で原作にも興味が湧いたのでラノベを読んで、現在は最新の8巻まで読破しています。

ですので7話までは初見、8話以降は原作を読んだ後にアニメを見るという状態でした。

ただ、この記事を書くにあたって1話から通して見てみたので、1話から7話に関しても、「原作勢が見たアニメの感想」としての視点も持てているものと思われます。

各話の雑感

各話、というか原作の対応巻数別に。

何しろこの作品、12話でラノベ5冊分を駆け抜けたので、エピソードを色々とカットしているんですが、一応何話から何話が何巻の内容…といった具合に行きます。

1話~3話(原作1巻に相当)

満足度:★★☆☆☆

1話と2話は正直、3話次第でサヨナラするための助走として十分な感想。

3話がまずまず面白かったので首の皮一枚繋がった、1巻に相当する話数はそんな印象ですね。

初見でアニメを見ていた時には分からなかったんですが、これって実は割と原作のせいだったりします。

原作を読むまでは、アニメでの描き方が下手なせいでポテンシャルの高い原作の魅力が表現できていないのかな?との思いが強かったんですが、読んでみるとなるほど、「1巻の段階では期待したほど面白くない」というのが率直な感想でした。

アニメとしてもっと面白く出来る余地は大いにあります。

しかし、原作ラノベ1巻の内容をロリ押し気味に表現したらこうなるわな…というぐらいな感じで、アニメ製作サイドが決定的なクラッシャーという訳でもない。

ロリ押し具合も、確かに強調はされている(他の要素に比べて尺を使っている)のは確かですが、原作1巻のノリとしては、そこまで大きく逸脱している訳でもない。

この作品、1巻の売り上げは当初思わしくなかったらしいんですが、この1巻だとそうかもなぁとは感じます。

4話~5話(原作2巻に相当)

満足度:★★★★☆

この辺は楽しく見る事が出来ました。

二人目の”あい”夜叉神天衣がメインの2話ですが、ラノベ1冊の内容を2話ですから、そりゃカット&カットです。

ただ、個人的に天衣のエピソードに関しては、比較的良くまとめていたと思うんですよ。

原作ファンからは月光会長との対局をカットした事を残念がる声が多く聞こえてきますし、実際自分も残念です。

しかし、原作を読んでいない状況でこの4・5話を見た感想としては、別段違和感なく見る事が出来ましたし、原作を読んだ後に見ても、割と上手にまとめているなと感じます。

どうしても苦言が多くなってしまう今作のアニメ化において、ここのまとめ方については、個人的には評価したい所です。

満足感の高さは原作でも同様で、1巻ではあまりピンと来なかった自分も、2巻で「りゅうおうのおしごと」のファンになったように思います。

6話~7話(原作3巻に相当)

満足度:★★★★☆

この区間に関しては、原作のポテンシャルだけで持っていたような印象が強い…かな?

原作は2巻に続いてこの3巻も面白く、これは人気があるのも頷けるなと実感。

そんな3巻を描く上で、2巻の内容以上に問題になったのが、説明不足&尺の足りなさ。

尺は常に足りないんですけど、その結果、この区間の内容を描く上で必要な描写・説明といったものを十分に出来なかった。本当に勿体ない描き方をしているなと思わずには居られません。

将棋の内容を初心者に説明するのが難しいのは分かりますが、もっと要点を分かりやすくモノローグ&盤面の止め絵で伝えるような表現があって良かった、あれば良かった。

おそらくは今作で一番人気のエピソードであろう7話に関しても、銀子と八一が内弟子に入った時の桂香の心境などなどを、もっと濃密に描いて欲しかったなというのは、原作ファンなら誰しも思う所でしょう。

ただまぁ、原作のポテンシャルもあり、それなりには楽しめたので、この区間も及第点ではありましたね。

8話~9話(原作4巻に相当)

満足度:★★★☆☆

この辺からイマイチになって来ちゃいましたね。

原作4巻では、主に女流棋士についての話となっており、読み応え十分。

そんな原作4巻の良さを、アニメではあまり表現できませんでしたね。

尺の取り方も下手で、例えばニコ生のシーンなんかは、あそこで出てくる女流棋士が後に出てくる布石となる場面なんですが、それはアニメで描かれなかった部分なので、これだけ尺の無い中であれだけの尺をかける意味とは?という感じ。

「イカちゃんvsあい」の対局なんかはヒロイックな趣で良かったとは思いますけど、4巻のポテンシャルをさっぱり引き出せた気がしない8話と9話でした。

10話~12話(原作5巻に相当)

満足度:★★☆☆☆

尺が足りない、何度目かわかりませんが、とにかく尺が足りない。

これまでの巻数では、エピソードをバサバサ切り捨てる事で、残したエピソードが薄まってしまうのを極力軽減しようという意図があったと思います(軽減しきれていなかったのは間違いない所ですが)。

しかしこの5巻に関しては、とにかく「八一vs名人」という部分を描かなければならない(カット出来ない)ので、まぁ…薄まりますわな。

少なく見積もっても5話は掛けるべき、というか、それぐらいは使わないと原作の”熱さ”が伝わらないでしょう。

実際、この10話~12話はとにかく、何とかエピソードをなぞったなという印象以上の何かは無く、その尺の少なさをカバーする目の覚めるような描写があるわけでもなく。

尺以外の問題としても、将棋という題材をアニメで表現する事は、それほど簡単な事ではないのでしょう。

しかし、もっとやれるだろう、もっと上手く見せられるだろう、そんな思いばかりが募る終盤でした。

シリーズ総括

満足度:★★★☆☆

話数単位で言えば、3話~7話あたりは楽しめました。

個別にも書いたように、序盤のイマイチっぷりは原作譲り。

終盤のガッカリっぷりは、とにかく尺が足りない。

兎にも角にも尺が足りない…何度言っても言い足りないぐらいのモノですが。

どうしても原作5巻分を12話で纏めたいのなら、最低でも1巻の内容を1話でかるーくダイジェストするぐらいで実質2巻の内容からスタート、というぐらいの事が出来るぐらいじゃないと、それが出来れば5巻の内容に5話分使えたでしょうし。

原作5巻を12話で表現するには、極めて高度にクリエイティブな能力が求められると思いますが、今作を12話見て、そういった片鱗を垣間見ることは出来ませんでした。

原作の隅から隅まで描けとは言いません、ただ、初見の人間でも”ダイジェスト感”を感じてしまうようなアニメを平然と作ってしまう状況はどうかしてる、そんな当たり前の認識を作り手側が強く意識する切欠にしてもらいたいものですね。何が何でも。

アニメの原作が枯渇している…なんて話が出る昨今ですが、こんな風に評価されている原作を浪費していれば、そりゃそうなるでしょうよ…というだけの話ですね。

何を考えてるんだろうなぁ…とも思いますが、多分、アニメ文化の事なんて何も考えていないんだろうなぁ…という感じ。

関わる人間の誰もが(原作者も含めて)作品に対して責任を持たないから、こーゆー事が起きるんでしょうね。

あと、これはアニメと言うよりは原作に関しての不満なんですが、この作品におけるラブコメのノリが肌に合わないんですよね。

だから結局、比較的シリアスな場面は面白いんだけど、ラブコメの方向に振られると途端に微妙な感じになる。というのが、「りゅうおうのおしごと!」という作品に対する個人的な感想です。

アニメで興味を持って原作も読んでみようかな?という方は…

  • とりあえず2巻までは読んで欲しい
  • 5巻まではオススメ(5巻で一区切り付きます)
  • 6巻以降を読む時はかなりハードルを下げて

といった事を意識して貰えると、楽しめる可能性が高まるんじゃないかと。

©白鳥士郎・SBクリエイティブ/りゅうおうのおしごと!製作委員会

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。