恋愛ゲームの男性向けと女性向けでの本質的な違い【ギャルゲー(エロゲ―)・乙女ゲームにおける恋愛の意味】

ハート

今回は珍しく、ゲームの話でも語ってみようかと思います。

ゲームと言ってもコントローラーをピコピコしたり銃をバンバン打つようなヤツではなく、いわゆるノベルゲーム、より具体的に言えば恋愛ゲーム(恋愛アドベンチャーなど)についてのお話です。

恋愛ゲームとは

恋愛ゲーム…というとかなり多義的な表現になっちゃいますが、自分が想定しているのは男性向けであればエロゲやギャルゲ(全年齢向け)、女性向けであれば乙女ゲームやBLゲームにおける「恋愛」というものがジャンル表記や基本的な特徴として入って来るような作品の事です。

エロゲの場合は必ずしも恋愛を扱った作品ではない(両者同意の上でゴニョゴニョするわけではない作品もありますので)ですが、ギャルゲや乙女ゲーム、BLゲームに関しては基本的に恋愛ゲームとして認識して問題ない…のでしょうか?(女性向け界隈には詳しくない)

そういえばギャルゲの定義も結構ふわっとしているようで、「女の子が沢山出て来ていたらギャルゲ」というザックリしたカテゴライズもあったような…。

…なんて事を考えていると語りたい事に中々たどり着けないので、今回想定するのは要するに「恋愛を扱ったノベルゲーム」であり、そういったゲームの事を包括して「恋愛ゲーム」と呼ぶことにします。

「恋愛アドベンチャー」と「恋愛シミュレーション」

本題へ入る前に閑話休題というか、エロゲに関するジャンル表記でありがちな誤解?について。

エロゲやギャルゲをプレイしない人の中には、恋愛を扱ったエロゲ(ギャルゲ)の事を「恋愛シミュレーションゲーム」と呼ぶ人が結構多いように思います。

これは、このジャンルの代名詞的存在である「ときめきメモリアル」の事をそう呼んでいた経緯もあっての事だと思いますが、実はエロゲやギャルゲにおいて「恋愛シミュレーションゲーム」というものはほとんど存在していません。

「ときメモ」の場合だとパラメーター上げなどのようなシミュレーター要素ともいえるものが存在しているので「シミュレーションゲーム」と呼んでも差し支えないかも知れませんが、エロゲはもちろんギャルゲにおいても多くの作品はシミュレーター要素のようなものはほとんど存在していません。

ギャルゲの代名詞である「ときメモ」あるいは「ラブプラス」といったゲームがギャルゲとしては極めて異端な作品であるという事が、ある意味ではギャルゲ(やエロゲ)の概要を理解する上で話をややこしくしているように思います。

一般にエロゲやギャルゲにおいて恋愛模様を描いている作品の事は「恋愛アドベンチャーゲーム」と概して呼ぶのがユーザー視点では普通となっています(といってもユーザー間で一々この用語を使って会話が行われるわけではないですが)。

まぁこの「シミュレーションゲーム」という用語には、「恋愛を疑似体験するゲーム」というニュアンスも強く含まれているのでしょうが、この点に関するユーザーの認識がそことはズレる事は、この後語る今回の本題をお読み頂ければわかると思います。

なお、これはあくまでも男性向けのゲームに関しての話であり、乙女ゲーやBLゲーにおいては全く異なる状況があるのかも知れません。

恋愛ゲームにおける「恋愛」の性差

恋愛ゲームにおける「恋愛」が意味するものには、以下のような違いがあります。

  • 男性向け恋愛ゲームでの「恋愛」:作品の基本構造
  • 女性向け恋愛ゲームでの「恋愛」:作品の目的・主題※

※自分は男性向けの方しか分からないので、女性向けに関しては「通じている人が言うには」という話になってしまう点は予めご承知下さい。

乙女ゲーに詳しい知人が言うには、「乙女ゲーは恋愛さえしていれば後は自由」という事らしいです。

ゲームの目的が「恋愛を描く事」、プレイヤー視点で言えば「恋愛模様を味わう事」であり、世界観設定やストーリー展開などはそれを彩るためのもの、要するに「恋愛のために世界観・価値観・ストーリーなどがある」のが乙女ゲームだという事らしいです。

BLゲームに関してはその知人もそれほど通じていないらしく話は聞いていませんが、BLとはつまり「超恋愛主義」な価値観だと思うので、乙女ゲームと同様の事が言えるのではないかと推察します。

恐らくは一般的な「恋愛ゲーム」というものに対する印象としては、この女性向けゲームにおける恋愛ゲームの在り方が当てはまるんじゃないかと思います。

しかし、これが男性向けのゲームになると全く違った認識になるんですよ。

男性向けゲーム(エロゲ・ギャルゲ)における恋愛ゲームというものは、「恋愛関係という基本構造を有した物語で何を描くか」が問題となるのです。

言い換えれば、「世界観・価値観・ストーリーなどのために恋愛がある」という構図なんです。

女性向け恋愛ゲームの本質が「恋愛」であるのに対して、男性向け恋愛ゲームの本質は「恋愛」ではないのです。

もちろん男性向けのゲームにも「恋愛を主題に描いた恋愛ゲーム」というものも存在しますが、そういった作品はかなり稀ですね。

自分は詳しくないのでわかりませんが、恐らくは女性向け恋愛ゲームにおいても「恋愛が主題ではない恋愛ゲーム」というものも存在していると思いますが、それもまた稀なんじゃないでしょうか。

男性向け恋愛ゲームの基本構造は同じ

男性向けの恋愛ゲームとはつまり、「本質的に描きたいものを描く上で恋愛関係を活用する」という構造なんです。

例えば主人公とヒロインがエッチな関係になってその場面を描写する作品の場合なら、「エッチな関係を描くために恋愛関係を活用する」というものです。

両者同意の上でエッチな関係になる話…となると、恋愛関係をあてがうのが一番自然だろうといった考えです。

ちなみに恋愛ゲームが主流になる前の時代には、もっとインスタントにエッチな関係を結ぶことを考えた「ナンパゲーム」というものが多かったみたいです(街でナンパした女性とホテルで…といった話)。

より「ストーリー性」といったニーズが増してくると、ナンパゲームではそこに対応するのが難しくなって、その結果として恋愛ゲームが主流になっていったという側面もあるのでしょうね。

さらにこういった基本構成は、いわゆる「泣きゲー」といったものに関しても同様です。

主人公とヒロインの交流の中で感動的なストーリーや世界観、価値観といったものが提示されるのが泣きゲーの特徴ですが、これも要するに「感動的なお話を描くために恋愛関係を活用する」という考え方です。

主人公とヒロインをより近い関係性に置こうとしたら、やはり緊密な男女関係として描いた方が分かりやすいでしょうし、さらに言えば「エロゲ」といった前提を考えるならやはり「濡れ場」を描けるというメリットも大きいと言えます。

例えばヒロインの愛らしさを全力で表現する事に注力したと言って良い「萌えゲー」と呼ばれるジャンルに関しても、「可愛いヒロインの所作等々を描くために恋愛関係を活用する」といった考え方が出来るでしょう。

その他様々な作風に関して、およそ「恋愛ゲーム」と言えるような体裁を有している男性向けのエロゲやギャルゲというものは、基本的にはこのように「恋愛関係を活用して本題を描く」といった構造になっていると言って差し支えありません。

「共通認識のある乙女ゲームの強み」と「共通認識が乏しいエロゲ(ギャルゲ)の強み」

ここまで語ってきたように、乙女ゲームにおける恋愛ゲームとはつまり、「恋愛模様を味わうゲーム」という点で作り手にしろユーザーにしろ共通した認識を共有できているのだと思われます。

それに対してエロゲ(ギャルゲ)における恋愛ゲームというものは、「恋愛模様を活用して別の本題を描くゲーム」であるのが普通ですから、「本題が何か」によって全く異なった方向性へ四方八方飛び散ってしまいます。

「恋愛が本質である恋愛ゲーム」という価値観を共有できる事が乙女ゲームの強みであるとするなら、エロゲ(ギャルゲ)の場合はむしろ「恋愛にとらわれる必要がない」点が強みであると言えると思うんです。

エロゲ業界はすでにその答えに(断片的には)辿り着いているんですけどね…「イチャラブ」という答えに。

エロゲ業界全体が早く「イチャラブは恋愛ではない」という事を理解して、その先へ進んでくれる事を心より願っております。

 

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