
©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会
気が付けば7月開始のアニメがクライマックスを迎えそうなタイミングになっている今日この頃ですが、自分にとって今年最も楽しめたアニメは、何と言っても『三ツ星カラーズ』を置いて他にありません。
そんな三ツ星カラーズですが、残念ながら円盤の売り上げや話題性といった面から判断するなら、ヒット作とは言えない様相で数多の境遇を同じくする作品たちと共に、ひっそりと幕を閉じてしまったようです。
しかし、実際に見た人の感想に関しては中々の高評価も散見される状態だったりもします。
ではなぜ三ツ星カラーズはヒット作になれなかったのか、今回はその話をして行こうと思います。
アニメ『三ツ星カラーズ』のココが惜しい!
三ツ星カラーズの何が惜しいかと言うと、これなんです。
このキービジュアルが良くないんですよ。
何がどう良くないのかについて詳しく語って行きましょう。
キービジュアルの果たす役割とは
自分はその時期ごとに見るアニメを決める時、今ならdアニメストアの新番特集ページで全作品のタイトル&キービジュアルを見て、ちょっと気になったものは粗筋なんかも見ながら、お気に入り登録して行くという作業を行っています。
そう、つまりはタイトルとキービジュアルだけで大凡の見当を付けるんです。
「このタイトルでキービジュアルがこれか…」→「興味あるな」or「これはスルー」という判断で、多くの作品から自分好みの作品を拾い上げて行く訳です。
ですから、その作品を見るかどうかの第一段階の判断は、タイトルとキービジュアルが全てなんです(あらかじめ注目している作品は別ですが)。
そこで選んだ作品を粗筋を読んだりしながら更に精査していくんですが、兎にも角にも第一段階の選考に引っかからない事には、見る可能性がほぼないと言えます。
なので、タイトル名と共にキービジュアルは視聴動機を作る上で非常に重要な要素…というより、一番重要な要素だと言えるんです(特に自分のような感じで作品を選んでいる人間にとっては)。
優秀なキービジュアルの例
ここ最近の自分が見た作品の中で、キービジュアルが抜群に効果的だったなと感じるのは『少女終末旅行』です。
キャッチコピーも含めて、極めて端的に少女終末旅行のアニメがどんな作品かという事を表現出来ている、素晴らしいキービジュアルだと思います。
これを見て自分は作品を見て見たいと思いましたし、実際に見てみて(このキービジュアルに)納得もしました。
まさにこのキービジュアルで期待した通りの作品だと感じたのは、それだけこのキービジュアルがキービジュアルとしての役割を果たしているからに他なりません。
三ツ星カラーズのキービジュアルは…
対して三ツ星カラーズのキービジュアルですが…
これを見て、アニメ『三ツ星カラーズ』に自分が感じた魅力の片鱗を端的に感じ取れるかと言えば…無理かなぁ。
悪い絵だと言っている訳ではありません。三ツ星カラーズが大好きな自分にとっては愛おしさを感じる絵だと言えます。
しかし、キービジュアルとして見た場合にどうなのかという話なんです。
何の前情報もない状況で、様々なアニメが一覧表示されている状況において、『三ツ星カラーズ』というタイトル名&このキービジュアルで、この作品の魅力を端的に感じ取れるかと言えば、明らかに無理だと思います。
事実、自分は先述のような方法で当時の配信予定一覧から見るアニメを選定していた時、一度この作品をスルーしています。
その時は他に選んだ作品数が少なかったのでもう一周見てみた結果、「小さい子達がわちゃわちゃしている作品は基本的には好きだから、ノリが合えばまぁまぁ楽しめるだろう」という程度の期待感で視聴予定作品に滑り込んだんですが、一歩間違えば、これだけ好きな作品に出会う事もなかった訳です。
そのような経緯から、この作品がそもそもの視聴者数が少ない(注目度が低い)理由の一つがキービジュアルにあるんじゃないかと、自分は強く感じているのです。
じゃあ、どんなキービジュアルなら良かったのか
このキービジュアルじゃだめだ、というだけでは建設的ではないので、こんな感じのキービジュアルが良かったんじゃないかという例を出しておきましょう。
これはBlu-ray2巻のデジパック絵柄なんですが、これこそ正に三ツ星カラーズの魅力を端的に表現している絵ではないでしょうか。
三ツ星カラーズという作品は、「上野の街と、上野を駆け回る少女たち」を描いた物語ですから、ちゃんと背景を見せないといけないんですよ。
実際のキービジュアルだと、「小さい女の子が出てくるアニメ」という以外の魅力がさっぱり伝わらないので、折角こんなに素敵なアニメなのに勿体ない!と思ってしまうんです。
ブルーレイはこんな素敵な絵が味わえるのでおすすめ
キービジュアルの重要性について熱く語って来ましたが、本当にこれが一番重要だと思うので、アニメ関係者の皆さんはここに魂を注ぎ込む勢いで重要視して頂きたいと思っております。
何にしても、願わくば三ツ星カラーズの評判が徐々にでも良いので広がってくれる事を心から願っております。
いやしかし、円盤のデジパック絵柄はどの巻も良いですね。
自分は全巻購入しましたが、堅牢な作りのアウターケースも含めて非常に満足度の高い商品でした。
アニメの円盤商品でここまで所有欲を満たしてくれるものも中々ないんじゃないかってぐらいに気に入ってます。
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© つくみず・新潮社/「少女終末旅行」製作委員会