ついに円盤の最終巻が発売されてしまいましたね…『まちカドまぞく』。
いや、もちろん嬉しいんですけど(むしろ心待ちにしてた)、これぐらい円盤の発売が待ち遠しい事も珍しかったので、全巻揃ってしまった事にすら哀愁を感じちゃうワケで。
そんなまちカドまぞく最終巻の感想を、粛々と語って行きたいと思います。
パッケージ内容
毎巻お馴染みのステッカーですが、使うのが勿体ない(お約束)。
4巻のパッケージはサンライズアローの使い手、陽夏木ミカン!
この柑橘押しっぷりは商売に繋がる…愛媛県か和歌山県あたりに売り込みを掛けましょう。
ブックレット
- あらすじ10~12話
- キャラクター設定:ミカン
- キャラクター設定:たまさくらちゃん他
- 美術設定
- キャストインタビュー(陽夏木ミカン役:高柳知葉)
- スタッフインタビュー(監督:桜井弘明)
- 伊藤いずも(原作者)10~12話文字コメンタリー
- 原作設定資料
- 伊藤いずも10~12話アニメ応援イラスト集
- 伊藤いずもケース絵案
- クレジット
お馴染みの構成ですが、今回は地味にキャストインタビューとスタッフインタビューの順番が逆になっていますね。
あらすじ
面白い、毎回毎回面白過ぎる。
終盤の2話はシリアスな雰囲気を含みつつ、かといってそこに振り切るわけではなく、良い塩梅でクスっとできる要素を散りばめてくれている点が非常にお気に入り。
ただちょっと気になってしまったのは11話の夢世界でメタ子に追い立てられる場面、ここはちょっと尺の使い方などがぎこちなかったなぁとは思いましたが。
キャラクター設定
3巻のコメンタリーで監督がミカンの目の色を緑に変えたという話をしていましたが、これは完全にファインプレイでしょう。
結果として、原作絵のミカンに比べてより理知的な印象が加わったように感じました。
まさに柑橘系を思わせるような爽やかさがプラスされて、なおの事良い感じになりましたよね。
ミカン以外にも色々なキャラクター設定画像が掲載されており、たまさくらちゃんやメタ子から杏里のお母さんや担任の先生まで、これを見ているだけでも本編のアレやコレを思い出して楽しくなっちゃいます。
キャストインタビュー
今回はこれまでの流れを考えれば当然ですが、陽夏木ミカン役の高柳知葉さんのインタビュー記事となっています。
高柳さんはメインキャラ級の役を演じるのが初めてだったようで、本作への思い入れもひとしおといった印象を受けました。
ミカンの声は個人的にも大好きで、艶やかさの中に時々垣間見える愛らしさは堪らないものがあります(アニメ全話の感想記事でも書きましたが、「ハラスメントッ!」のセリフにドキっとした)。
きっとこれから様々な作品で活躍なさることと思いますが、自分にとって高柳さんの声に対する原風景は常に陽夏木ミカンであり続ける事でしょう。
スタッフインタビュー
こちらも想定通りの人選として、監督を務めた桜井弘明さんのインタビューが掲載されています。
コメンタリーでも色々なお話を聞かせて貰えて、監督のこの作品に対する並々ならぬ思い入れが非常に嬉しかったのですが、今回のインタビューでも興味深い話が色々と掲載されています。
「アニメは寄ってたかって作っている感が楽しいんだ」
アニメは非常にクリエイティブな映像作品ですから、様々な人の様々な「仕業」で成り立っている事を改めて考えさせられます。
作り手の皆さんが楽しく作ってくれた作品を、我々視聴者が楽しく受け取る…作品を中心として幸せの輪が広がっていくのは、本当に嬉しい事ですね。
文字コメンタリー
ここまで毎巻楽しませてもらった文字コメンタリーも最後かと思うと寂しいです。
円盤のブックレットを毎回これだけ楽しく読ませて貰えたのも、こうやって原作者の伊藤いづもさんの手厚い協力あってのものであったと感じています。
こういった形で文字コメンタリーを掲載するというのは、今後新たなスタイルとして確立される可能性すらあるのでは?と思えるぐらい、面白い試みだったと思います。
12話コメンタリー
2巻の感想記事で3巻でのコメンタリー人選予想を思いっきり外しましたが、さすがに4巻に関しては盤石だと思っていました。
多分メインキャスト勢ぞろいの布陣でしょと、疑いもなく当然のようにそう思っていました。
そしたらば、なんとなんと2巻と同様の「小原さん、鬼頭さん、桜井監督」という構成でした!
自分は櫻井監督作品のコメンタリーというものを見た事がないので、ひょっとしたら桜井監督は常にこういったスタンスなのかも知れませんが、それにしてもやはり「語りたい事が沢山ある」から出てくれているのかな?と思うので、素直に嬉しいです!
願わくば高橋さんと高柳さんの話も伺いたかったんですが、さすがに5人でコメンタリーというのはゴチャゴチャしすぎるという懸念は大いに理解できます。
でもほんと、1巻のコメンタリー(小原さん、鬼頭さん、高橋さん)も楽しかったんですけど、正直内容が取り留めなくなってるな…という思いもありました。
それが2巻からは桜井監督が加わったことで作品作りに関する裏話なんかを多数聞く事が出来て、非常に濃密で満足度の高いコメンタリーになったように思います。
…と考えてみると、ひょっとしたら1巻のコメンタリーを聞いてプロデューサーか監督か、あるいは他の誰かが「監督の力が必要だ」と判断した結果として2巻からずっと桜井監督が登場する流れになったのかも知れませんね。
楽しく興味深いコメンタリーをありがとうございました。
お楽しみはこれからだ
というわけで1期まちカドまぞくの円盤リリースが無事に終了しました。
まちカドまぞくの円盤ですが、恐らくは当初の予定を大幅に上回る売り上げとなったんじゃないでしょうか。
相対的に見れば別段安い部類の商品ではありませんし、内容も新規収録系だけで言えば必ずしもサービス満点という訳でもありません。
しかし比較的一般的な範疇の構成内で、色々と工夫もみえましたし、実際ブックレットは読みごたえがあって楽しませて頂きました。
キャストさんや桜井監督のコメンタリーも興味惹かれる話を色々と聞けて、毎巻発売が楽しみだったなーと、しみじみ思ってみたり。
2期、やってくれるものと思っていますが、出来る事なら1期の残り香が消えないうちに(スタッフ&キャスト的にも1期の感触が残っているうちに)お願いしたいですね。
それでは、あらためて1巻から再生し直す事にしようと思います。
©伊藤いづも・芳文社/まちカドまぞく製作委員会