
©NBCUniversal
自分はアニソンフェスだとか、あるいはアニソン特集番組といったものを見る機会が全くないので知らないのですが、KOTOKOさんは現在そういったフィールドで一定のリスペクトを得ているようです。
それ自体は喜ばしい事なんですが、彼女のディスコグラフィーを見てみると、近年はほとんどアニメの主題歌を担当する事もなく、長らくシングルCDを発売していないような状況が続いていたようです。
シングルCDというもの自体が前時代的なものになってきている感もあるので、この点だけですべてを判断するわけにも行かないとは思いますが、少なくとも若いアニソンリスナーにとっては、なぜKOTOKOさんがある意味では「持ちあげられている」のかが良く分からないといった感想を抱いている人も少なくないんじゃないかとも思います。
そんな疑問に対する回答、「KOTOKOという歌手の身分証明書」的なCDボックスが今年の4月に発売されました。
KOTOKO’s GAME SONG COMPLETE BOX「The Bible」
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初回盤にはライブ映像を収録したディスクが収録されるらしいのですが、自分は通常盤を購入しました。
ただしこの記事作成時点(10/27)では価格的に初回盤も通常盤も変わらない感じになっているので、今から買うなら初回盤の方がお得と言えばお得かも知れませんね。
全134曲収録!CD10枚組となっておりますから、CDからパソコンへ取り込む事を考えている人は覚悟しておく必要があるでしょう。
このボックスには主に二つの意義があります。
一つは散文的に存在しているKOTOKOのゲーム関連楽曲のほぼ全てをこれでカバーできる事。
特にここ10年以内にKOTOKOファンとなった人にとっては新品で入手する事が出来ないような曲も収録されているので、比較的最近のファンにとっては非常にありがたいボックスだと思います。
そしてもう一つの意義は、これまで音楽CD化されていないような楽曲(ゲームの中にしか収録されていなかったなど)で初めて音楽CD化されたものがあるという点ですね。
具体的に言えば「Ideal Forest」は初めて音楽CDになりました。
それ以外にも雑誌の付録にしか収録されていなかった「遮光~かげり~」のオリジナルバージョンなんかもレアな曲ですし、それ以外にも比較的入手困難気味な曲が色々と収録されていますから、比較的ファン歴の長い人にとっても「おっ!」と思うポイントのあるボックスだった事でしょう。
「The Bible」を聞けば、なぜKOTOKOがリスペクトされるかが分かる
冒頭でも触れたように、若いリスナーにとってはなぜKOTOKOが「持ち上げられる存在」なのかが少々分かりづらいのではないかと思います。
実際問題、アニソンとしてのヒット曲数といった事で言えば、同じ元I’ve所属歌手としても「KOTOKO」より「川田まみ」の方が強く印象に残っているという人も多いと思いますからね。
だから「なぜ?」といった疑問は当然だと思うんですが、その疑問に対する回答がこの「The Bible」だったと思うんです。
特に最近だと、KOTOKOと言えば「さくらんぼキッス」というぐらいに、この曲が突出した知名度を誇っているらしい?という事を感じる機会が多いです。
しかし「電波曲の大家」というのはKOTOKOの一側面に過ぎず、その点だけを見ていたのではKOTOKOという存在を全く理解できないのではないかと思えてなりません。
例えば「さくらんぼキッス」が収録されているディスク4を見てみると、他には「Face of Fact」や「Undying Love」さらには「HALLUCINO」や「Lupe」といった曲が収録されています。
こういった様々な音楽性の一つとして電波曲があり、それによって音楽性の幅が圧倒的に広い・・・というのがKOTOKO曲の魅力であり、最大の強みでしょう。
さらには特に初期の曲に関してはI’veサウンドが圧倒的なカリスマ性を発揮しつつ邁進していた頃の曲ですからね。
昔を知る人にとっては懐かしく、新しいファンにとっては逆に新鮮な感動が得られるのではないでしょうか。
今後のKOTOKOさんに幸多くあれ
自分はI’veファンですから、I’veが絡まないKOTOKO曲に関しては然程興味がなく、細かくチェックもしていない状況です。
といった感じで楽曲に対する関心は低いんですが、KOTOKOさんがまたアニソン界で華々しく脚光を浴びる様子は見てみたい・・・なんて事は思ってるんですよね。
自分の好みに合うか否かはともかく、KOTOKOさんには再びアニソン界隈で花を咲かせて頂きたいです。
それこそ過去のI’veサウンドで歌った楽曲の印象が霞んでしまうぐらいの楽曲が、大々的にヒットしてくれたら嬉しいです。
多分KOTOKOさん的にもI’veの楽曲ではなく、他の楽曲でのスマッシュヒットを熱望していると思うので、何か良い機会に恵まれると良いですね。