何気に楽しみにしているスマホアプリ『この素晴らしい世界に祝福を! ファンタスティックデイズ』(通称:このファン)に関する生放送がニコニコで先日行われ、その動画がYouTubeでも公開されました。
この動画を見た感想やちょっとした懸念などを軽く語って行きたいと思います。
略称が『このファン』
正式名称は『この素晴らしい世界に祝福を! ファンタスティックデイズ』であるこのゲーム、公式から提示されている略称は『このファン』だそうです。
『このファン』かぁ…正直パッとしませんね。
でもある意味、『この素晴らしい世界に祝福を!』というタイトルを最初に見た時の感想に近いような気もしますw
そういった意味では「このすばらしいタイトル」と言えるかも知れません。
作品内容もそうですが、このすばはエッジが利きすぎていない事も魅力の一つだと思うので、なんとなく当たり障りのない感じのこのタイトルは確かに「らしい」とも言えます。
あえてキレのある(?)通称を考えるとするなら、「ファンタスティックデイズ」=「素晴らしき日々」ということで『すば日々』なんてのもアリでしょうか(そして某ケロQさんとコラボしましょう)。
新情報公開記念特番
こちらの動画を見て気になった点についていくつか語って行きます。
リアルタイムバトルシステム
その場その場で適切かつ瞬時の判断が要求されるタイプのゲームらしいですね。
これに関しては難易度設定を上手にしないとユーザー離れの要因となりかねないので、ガッツリ派だけではなく片手間派でも楽しめるような仕組みを用意して貰えると嬉しいですね。
やはり理想としては、効率が少し悪いオート機能を搭載する事でしょうか。
自力プレイをした方が効率良く進める事が出来るけど、オートでも話を進める事は出来ますよってなぐらいが妥当な落し所でしょう。
めぐみんはマジックアイテムを投げる
めぐみんと言えば爆裂魔法しか使えないキャラクターというのが確固たるアイデンティティーとして存在しており、そんなキャラクターが実際にRPGで使い物になるのか?という疑問は当然ありました(体術も弱いですし)。
そこを解決する意味で、めぐみんにマジックアイテムを投げさせることで爆裂魔法以外の攻撃が可能となっているようです。
…といった話を高橋さんがした時に横から飛んできた福島さんのツッコミが最高に面白かった。
「金がかかって仕方ねえじゃねぇか!」
これ、すっごく面白いと思います!
どうやら実際の仕様では、めぐみんがアイテムをいくら投げてもお金が減るような仕様ではなさそうですが、是非ともその仕様を実装しましょう!
いやこれ、めちゃくちゃ面白いアイディアですよ?めぐみんを戦力に入れたければ金がかかるのを承知でそれでもあえてパーティーメンバーに加えなければならない…凄く良い!
自分はこのすばキャラの中でめぐみんを推しているわけではありませんが、もし自分が一番好きなキャラがそういった境遇におかれたら…どれだけ運用コストがかかるにしても意地でもパーティーにねじ込みますよ!
分かりやすく言えば、フローラを選べば大金やレア防具やイオナズンが手に入るとしても、そこはビアンカを選ぶだろ!と…そーゆー話です(なんの事か分からない人は「ドラクエ5 結婚」あたりで検索してみて下さい)。
この仕様が実装されれば非常に面白い、キレのあるアプリになる事間違いなしです。
アプリ運営・開発サイドのみなさん、是非とも本気で実装を検討してみて下さい。
ストーリーパートの不安要素
今回アプリのストーリーパートをデモプレイしていましたが、これはどうなる事やら…というのが率直な感想でした。
というのも、動画内で福島さんも言っていましたが、アニメこのすばの特徴でもあったセリフとセリフの間にねじ込むようなアドリブはゲームでは不可能なわけです。
さらに言えば、アニメこのすばはキャラクター同士の掛け合いにおけるテンポのよさが大きな魅力だったと思うんですが、これもゲームだと発揮されにくいのは間違いないでしょう。
そうなってしまうと原作はともかく、「アニメこのすば」の魅力としてポンポコ挙げられるような面、その強みがアプリではほとんど生かされない可能性が高く、その武器を欠いたADV的な見せ方となったストーリーパートが、果たして期待以上の面白さを発揮できるのか?という点については甚だ疑問です。
そして現状においてオリジナルストーリーが原作者の書下ろしであるという情報は入って来ていないので、普通に考えれば別のライターが書いたものなのでしょう。
こうなってしまうといくらフルボイスとは言え、ストーリーパートの出来不出来は完全にギャンブル、出たとこ勝負な予感しかしません。
さらに言えばLive2Dを使った演出を多用していますが、そこにかけるリソースが他の点にかけるべきリソースの割を食っていない事を願うばかりです。
Live2Dで面白くないシナリオが面白くなるような事はまずないので、あくまでも確りとした土台の上に存在してこそ効用がある(かも知れない)というのがLive2Dというものですから。
なぜアニメのBGMを使わないのか
正直この点は非常に不思議、不可思議です。
アニメと同様にゲームにおいてBGMの果たす役割は極めて重要かつ重厚です。
そう考えた場合、アニメの成功を受けての流れを引き継ぎたいのであれば、BGMをアニメ版のものから引き続き使用する事が絶対条件とすら言って良いほどに重要となります。
それをなぜ変更しているのか、ひょっとしてアニメ版とは明確に違った何かにしたい思惑が強いんでしょうか。
その割にはLive2Dを活用してアニメっぽく見せる事には拘っているようですし…意図に一貫性が見えません。
収益化の目途はちゃんとついているのか?
これがもしアプリ単体での収益化を目的としていないのであれば良いですが、このアプリ自体で黒字化を考えているのであれば、しっかりと明確な収益化への道筋を考えているのか?という点が非常に不安です。
アプリがとん挫する決定的な理由として、収益モデルがグズグズ過ぎるというのが有りがちな話だと思います。
率直にいって、「一部の重課金者に頼った収益モデル」が極めてリスクの高いやり方である事は、ちょっと考えれば分かるような話だと思います。
そういったやり方で成功しているゲームがあるから…なんてのは何の根拠にもなりません。宝くじで一等を当てて大儲けしている人がいるから会社の事業として宝くじを買おう…とはならないでしょ?
フルボイスを生かすための録り方や見せ方
動画内で福島さんも「ボイスをみんなで一緒に録りたい」と言っていました。
フルボイスにしたからには「アニメこのすば」からの効能を期待しているのは明らかなんですから、であるならしっかりと「アニメこのすば感」が出るような形態でのボイス収録や見せ方を検討する必要があるでしょう。
具体的に言うなら、アニメの収録と同じような形態で声を録り、実際のゲームでもオートプレイで進んで行くスタイルのストーリーパートというものを実現するべきじゃないでしょうか。
全てをそうしなくても良いでしょうが、そういった場面を要所要所で挟んでいくことで、よりフルボイスである事の意味、アニメこのすばからもたらされる効用に期待できるのではないでしょうか。
楽しみにしています
色々と懸念材料は多いものの、スマホアプリはオセロと麻雀ぐらいしかやらない自分も久しぶりにRPGにふれてみようかと思っているぐらいには楽しみにしています。
きっと自分よりも遥かに楽しみにしている人が沢山いるのでしょうから、くれぐれも早期サービス終了なんて事にならないように、そうならないように事前の準備とシミュレート、収益化モデルの精査等々、よっぽどの不運に見舞われなければ確りと成功させる事が出来るだけのビジョンを備えた上でのサービス開始を心待ちにしております。
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