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何かと騒がしいアニメ業界から、また新たな話題が提供されました。
フロントウイング原作のゲーム「ISLAND」のアニメにて、原作でも「伽藍堂 紗羅」役を務めた村川梨衣さんから山村響さんへとキャスト変更が行われると発表されました。
この件について、多分に妄想を絡めつつ語ってみようと思います。
目次
TVアニメ「ISLAND(アイランド)」「伽藍堂 紗羅」役 キャスト交代について
「ISLAND(アイランド)」とは?
『ISLAND』(アイランド)は、フロントウイングから2016/4/28に発売されたゲーム。
Windows版(全年齢)とPSVita版(15歳以上対象)が発売されています。
公式でのジャンル表記は「せつなとえいえんのおとぎばなし」。
いわゆるビジュアルノベルとかADVとかノベルゲームとか、要するにエロくないエロゲ。
キャスト交代の経緯:アニメ版製作委員会の発表
http://never-island.com/180129.html
日頃よりTVアニメ「ISLAND」への応援、誠に有難うございます。
この度、TVアニメ「ISLAND」の「伽藍堂 紗羅」役が、下記のとおり変更となりました。▼交代前のキャスト様
村川梨衣
↓
▼交代後のキャスト様
山村響交代に関する経緯としては以下の通りとなります。
2017年12月下旬 アニメの音声収録が始まってからほどなく、村川梨衣様の所属されている「東京俳優生活協同組合」(以下、俳協)様からTVアニメ本編の脚本及び一部、内容について変更のご要望がございました。 当初、セリフの変更を行い俳協様のご要望に対応してまいりましたが、収録話数が進むに連れて、俳協様からのご要望にシーンの変更を伴うものが出てまいりました。
セリフやシーンの変更はキャラクター性、作画、作品のクオリティに影響を与えることになるため、具体的な対応については一部、相談させてほしい旨お伝えしたところ、俳協様が希望する全ての変更が受け入れられない場合は、俳協様としては村川様の続投は難しく降板させるほかないため、再度変更を検討してほしいとの返答を受けました。そのため、俳協様から頂いたご要望に対して、今日まで製作委員会・スタッフ・原作元を交えて議論・検討をし、様々な可能性を探って参りました。
しかし、一年以上の準備期間を経て原作・製作委員会の監修を元に決定した内容であること、また変更のご依頼があったシーンは既にアニメーションの作画作業まで完了していたこともあり、俳協様より頂いたご要望をそのまま反映することが難しい旨をお伝えしたところ、俳協様より正式に降板のお申し出がございました。
降板した場合、村川様が原作ゲームから出演されているため原作ゲームのファンの皆様を悲しませてしまうこと、またすでにキャスト発表後であるため村川様のファンの皆様の期待を裏切ってしまうことなど、降板に際しての大きな影響が出てしまうことが予想されることを俳協様へもお伝えさせて頂きました。ですが、俳協様の降板に対する意思は固く、また俳協様から降板に伴う交代キャストのご提案があった事もあり、申し出を受け入れ、誠に残念ではありますがキャストの交代をさせて頂くことになりました。
ファンの皆様には突然のお知らせとなり、驚かせてしまうことを大変、心苦しく思っております。引き続き、TV放送に向けて準備を進めてまいりますので、これからもTVアニメ「ISLAND」を何卒、よろしくお願い申し上げます。
なお、本件に関連するお問い合わせにつきましては、本お知らせをもって返答と代えさせていただきますのでご了承下さい。
平成30年1月29日
アニメISLAND製作委員会
といった経緯を説明しています。
アニメのキャスト降板理由をこれぐらい確りと説明している例って中々ないでしょうね。
その点に関しては大いに評価したい部分です。
キャスト交代の経緯:俳協の発表
http://haikyo.co.jp/information/info39/info39.html
TVアニメ 「ISLAND」 を応援して頂いているすべての皆様へ
TVアニメ 「ISLAND」 に出演を予定しておりました弊社俳協の村川梨衣でございますが、この度、弊社都合により降板、弊社俳協の山村響に交代させて頂く運びとなりました。
ゲーム 「ISLAND」 より応援を頂き、TVアニメを楽しみにお待ち頂いておりました皆様、そして関係者の皆様へ多大なご迷惑をお掛け致しますことを伏してお詫び申し上げる次第でございます。誠に申し訳ございません。
弊社村川が降板する経緯に関しては、製作委員会様が発表された内容に相違はございません。
この上はこの度の不始末を深く心に刻み、信頼回復に尚一層の精進を重ねて参る所存にございますので、何卒ご容赦の程お願い申し上げます。
降板にあたりISLAND製作委員会様はじめ、出演者の皆様、関係各位、そしてファンの皆様に多大なるご心配とご迷惑をお掛けいたします事を重ねてお詫び申し上げますとともに、合わせまして交代となります山村響についての応援を何卒お願い申し上げます。
なお、本件についてはご質問やご意見を頂きましても、弊社並びに関係する役者からはお答え致しかねます。どうかご了承下さいますようお願い申し上げます。
この度の件につきまして皆様にご迷惑をお掛け致しましたことを重ねてお詫び申し上げますとともに、ご理解を賜りますよう伏してお願い申し上げます。
平成30年1月29日東京俳優生活協同組合 理事長 朝田孝二
このように、俳協は委員会側の説明を全面的に肯定しており、終始責任の所在が俳協側にあるようなニュアンスで語られています。
両者の発表を読んでの感想
まず言える事は、この発表に関して両者は明らかに情報の共有を行っており、示し合わせた形での発表であったろう事。
落とし所として、俳協に責任があるというニュアンスで今回の件を一段落させようという意図が明確に見えます。
実際に非があったのがどちらかは外側からは分かりませんが、普通に考えるのなら、やはり俳協側に責任を被らなければならない理由があったと見るのが妥当でしょう。
更に言えば、今回語られている理由は、かなりショッキングな内容(声優事務所がそこまで要求する・それに委員会側も基本的に応えようとしていた)なので、仮に何かしら他の理由があるにしても、代替として挙げる理由としては少々印象が強すぎるので、この理由自体もある程度信用できるものではないかと(まったく見当外れな理由のでっち上げである可能性は低い)。
今回の件で印象的なのは、声優事務所側から脚本・内容についての変更要望があり、それを最終的に突っぱねた結果としてキャストが降板した…にも関わらず、代わりのキャストが同じ事務所に所属する声優であるという不可解さ。
この違和感は多くの人に”実は…”という事を連想させているようです。
キャスト自身がゴネた?
恐らく多くの人が思い至るのがこれ、実は事務所ではなく村川梨衣さん本人が難色を示したのではないか、という説。
たしかにそれなら、交代後のキャストが同事務所の声優であるのも頷けますし、発表内容で事務所側が完全に責任を負う形になっているのも納得。
現状これ以上にシックリくる理由付けは思いつきません。
なぜゴネたのか?
仮にそうだとするなら、なぜゴネたのか…発表をそのまま受け入れるのであれば、なぜ脚本や内容の変更を要求し、それが受け入れられなければ降板するまでの事態に発展したのか。
脚本や内容の変更要求は降板への理由作り
本当は脚本などに関して不満があるわけではないが、この役を降板したいがために制作側に無理難題を要求した可能性はあります。
脚本や内容に納得できなかった:エロ・グロ関係?
当作品の原作は全年齢対象ゲームではありますが、PSVita版では15歳以上指定(コンテンツアイコン:セクシャル、犯罪)となっています。
さらにはこの作品のメーカーであるフロントウイングは18禁PCゲーム(エロゲ)の大手ですから、アニメ化においてエログロ表現が強調されたりしたんじゃ?そしてそれを嫌がったんじゃ…といった想像を膨らませる人も居るようです。
たしかに、原作のゲームで声を当てているとは言え、アニメで大幅にエログロ表現が付け足されたような場合だと、脚本などに文句の一つも言いたくなるでしょうし、その結果の降板というのも頷けます。
もちろん、それはあくまでもエログロ表現が追加されたような場合の話ですが。
脚本や内容に納得できなかった:自らの担当キャラクターの扱い
自分はこの作品を未プレイなので内容を知らないのですが、マルチシナリオの作品だとすると、そのシナリオ事にスポットの当たるキャラ(ヒロイン)が変わる可能性が高いと思います。
アニメ化にあたって、自分が担当しているキャラがメインとして描かれていない(そのキャラのシナリオを描くアニメではない)事で、その点に不満を持っての脚本変更要請…そんな可能性も。
脚本や内容に納得できなかった:マルチシナリオの一本化
過去にマルチシナリオのノベルゲームでアニメ化された作品は数多くありますが、その多くの場合でアニメ化にあたって行われてしまうのが「マルチシナリオのごちゃまぜ」です。
複数あるシナリオからそれぞれ印象的なエピソードをピックアップして一本道のシナリオとして再構築する…その結果、それぞれのシナリオが持っている良さが失われた原作ゲームの二次創作アニメが生まれてしまう、そんなケースが過去には幾つもありました。
仮にこの「ISLAND(アイランド)」も、そういった方針でアニメ化されていた場合、その内容に納得行かなかった村川さん側が脚本やストーリーの変更を要求して、受け入れられず降板…という事も、全くない話ではないかもしれません。
もし仮に、ISLAND本来の魅力を発揮出来ていないという事で内容の変更を要求、受け入れられなければ降板という選択をしたのだとすれば、仕事としてどうかという点はともかく、今まで散々この問題に失望させられて来た身からすれば、その心意気や良し!と言いたくなるんですが…さすがに可能性としては薄いでしょうね。
追記:村川梨衣さんがtwitterでコメントを発表
時にはPOISONなこともあるけれども、これだけはお伝え出来ます。
私は関わってきた全ての作品が大好きだし、最高の作品だと思うし、大切だしずっと応援しています。
これからも作品が、キャラクターたちが、たくさんの方々に愛されますように。— 村川 梨衣 (@RiEmagic) 2018年2月4日
やや日数が空いてのご本人のコメント。
邪推するなら、せっかく責任は俳協(所属事務所)にあるという方向で決着しようとしたのに、先述のような村川さん本人の要望だったんじゃ?という見解が定着しつつある事に危機感を感じてのこのツイート…という見方も出来ます。
ほぼ公式発表通りの内容である可能性
実際に脚本変更等を要請したのが所属事務所の都合であった可能性は当然あります。
どういった理由によるものかは分かりませんが、所属事務所側としてアニメ版の脚本等に不満があった、あるいはそれに関わらずアニメ「ISLAND」から村川さんを降板させたい意図があった。
俳協としては、あくまでも村川さんを降板させたいだけで、他の所属声優が同じ役を務める事に関しては問題視していないが故に、代役の声優を同事務所から推薦した。
そして、そういった俳協の意向を受け入れる程度には製作委員会と俳協の関係は良好、あるいは力関係として俳協の力が大きい?
何れにしても”なぜ?”という部分は残りますが、アニメ公式と所属事務所(俳協)が「責任は俳協にある」という決着を望んでいるのは、両者の発表を見る限り間違いありません。
まとめ
色々妄想してみましたが、繰り返しになりますがただの妄想ですので、本当の所はわかりません。
今回の件に関して、自分が明確に言いたい事は一つ。
アニメ製作委員会がファンに対して確りと説明しようとする意志を示した事は評価したいという事。
アニメISLAND、楽しみにしてますよー。