新アニメ「ダイの大冒険」(2020年版)が正直言って期待外れ【3話までの感想】

ダイの大冒険キービジュアル

自分が小学生の頃に読んでいた漫画の中で、特に思い入れの強いものが三つあります。

一つ目は「幽遊白書」、二つ目は「スラムダンク」、そして三つ目は「ダイの大冒険」です。

割とベタな三作品だと思いますが、この中でも特に「アニメをもう一度作り直して欲しい」という願望が強いのはダイの大冒険・・・というのもやはりベタな願望でしょうね。

そんなダイの大冒険が令和の世にアニメとして新たに生まれ変わる・・・その一報を聞いた時の高揚感は早々ないレベルのものでした。

そんな新生アニメ「ダイの大冒険」が10月から始まったわけですが・・・もう、ため息しか出て来ません。

「ダイの大冒険」とは?

わざわざ説明するまでもないかも知れませんが、「ダイの大冒険」とは人気ゲームであるドラゴンクエスト(ドラクエ)の世界観の中で描かれる冒険譚漫画であり、ドラクエ系漫画の中でも圧倒的な知名度と人気を誇る作品です。

過去にアニメ化もされていますが、人気を博していたにも関わらずスポンサー側の都合によって打ち切りといった判断を強いられた悲運の作品としても有名ですね。

今回のリメイクはそういった無念さを踏まえた上で考えると、一ファンとて非常に感慨深いものがあります。

ちなみに自分も当時アニメを見ていましたが、「なんで終わっちゃうの?」と悲しい思いを抱いたような覚えがあります。

そういった点も含めて、令和の世で生まれ変わる新生アニメには大きな期待が寄せられていただろうと思います。

ダイの大冒険(2020年)3話までの感想

1話冒頭は良い感じ

ダイの大冒険01

冒頭の入りは良い感じでした。

流石しっかりとリソースを掛けて作られたアニメだなと感じられる映像クオリティーとなっており、この点に関しては心配いらなそうだなと安心しました。

ただ冒頭でのバランから赤ん坊のダイといった流れは、流石に見せすぎじゃないか?と思ったわけですが、これが「すでにストーリーを把握している視聴者が大半」であるとの認識からであれば、アリと言えばアリでしょう。

ただどうやらそういったわけではない?事をこの後でじわじわと感じ始めるわけですが・・・。

OP映像&楽曲

ダイの大冒険03

OP映像に関しては、ここもしっかりと綺麗な映像となっており、その点は良いと思います。

ただ戦闘シーンに関しては、どうにも躍動感のない動きが気になるんですが・・・多めに見れる範疇でしょうか?

OP楽曲に関しては間違いなく賛否両論あるでしょうが、個人的には消極的に肯定派といったスタンス。

この曲を聴いた時に思った事は、「ビックリするぐらい想像どおりの曲で来たな」という事。

令和の時代にダイの大冒険をリメイクするという事になれば、やはり主題歌がどういったものになるかという事は事前に色々と想像していました。

最高なのはドラゴンクエスト的な音楽を現代風にアレンジしたような、そんな歌曲が出来上がる事でしたが、流石にそれは望みすぎかなとも思っていました。

そんな中で一番ありそうなのは、「男性ボーカルで比較的若者の曲といった雰囲気のバンド曲」といったイメージが漠然とありました。

言うなればバンプオブチキンみたいな(これすら最早古い?)、そんなノリの曲が来るんじゃないかなぁ・・・と漠然と思っていたら、まさにそんなノリの曲が来たなと。

まさに「オッサンが若者向けを意識して考えたら辿り着きそうな所」ですね(自分も十分オッサンなので分かります)。

といった感じでこのOP曲、さらにはED曲も含めて、個人的にはまぁ許せる範囲かな・・・といった認識です。

凄く好きかと問われたら自分の好みに合致するわけではないですが、別段嫌いではないので別に良いんじゃないでしょうか?といった感じです。

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BGMにドラクエ感はあまりない

アマゾンのレビューなんかを覗くと、BGMにドラクエ由来の物が使われていない点を指摘する声も多いですね。

音楽の印象というのはアニメにおいて非常に重要なポジションを占めるので、その点が気になるという意見も良く分かります。

個人的にもどこかしらでドラクエ的なBGMを効果的に使ってもらえると嬉しいかな?とは思いますが、これに関しては無いなら無いでそれほど気になる点ではありません。

気になるのはどちらかと言えば使い方でしょうか。

割とベタベタな使い方をしているので、良くも悪くも意外性がありません。

後は非常に冒険ファンタジーの曲として無難な劇伴となっているので、印象に残りにくいというのもあります。

CVは慣れるでしょう

ダイの大冒険主人公ダイ

ダイのCV(キャラクターボイス)は種崎敦美さんという事で、若手声優さんの中でも演技に定評のある方ですよね。

今の所は少々違和感がありますけど、CVに関しては「このキャラはこの声じゃなきゃ嫌だ」といった事はない自分なので、他のキャストさんも含めて別に気になるほどの事ではありません。

ただやはり、前回アニメ化された時の声が印象として根強く残っている人の場合だと、やはり異物感を感じてしまうというのはあるんじゃないでしょうか。

こればっかりは時間が解決してくれるのを待つしか・・・といった所ですね。

モンスターは3DCG押し

ダイの大冒険02

モンスターは3Dモデルを活用してグリグリ動きます。

個人的には3D感が露骨に出ていて微妙だなぁと感じますし、上の画像にあるようなぐるっと一回転といった驚くほどダサい(失礼!)使い方はアレですが、この点はそれほど深くツッコむ必要もないかなとは思います。

3Dモデルを活用することでアニメ製作のリソース削減に繋がるのであれば、自分は大賛成といったスタンスですからね。

尺が足りない

ダイの大冒険04

この作品に限った話ではないんですが、しっかりと時間をかけて描くべき点がおざなりになってエピソードを詰め込むような描き方になってしまう弊害というものが本作品でも見て取れます。

1話でニセ勇者のエピソードをちゃっちゃと片付けてしまい、2話でレオナ姫のエピソードをサクサクと消化して行きます。

もし自分が本作のプロデューサーであったとしたら、1話目はデルムリン島がどのような島で、ダイという少年がどういった少年であるかを視聴者に印象付けるために費やします。

物語で重要なのは最初の「掴み」ですから、まずはデルムリン島、ダイ、そしてモンスター達に愛着を持ってもらう必要があるのです。

ただこの点に関しては原作漫画の時点で駆け足で進んで行く部分なので、アニメ製作スタッフに独自の判断が求められる箇所である事を考えると、さすがにそこまでは期待できないかなと言うのが正直な所です(残念ながら)。

せめてニセ勇者を追ってロモスまで行く点をじっくり描いて貰いたかったのですが、むしろロモスまで行くエピソードを改変して船上でのバトルに変わってしまいました。

2話は2話でかなり端折った展開となっており、これで視聴者にレオナ姫への愛着を刷り込めるのだろうか?と首を傾げてしまいました。

3話は単体で尺の問題を抱えているというのもありますが、この段階に達するまでがサクサク来てしまった事で地に足つかない状態で描かれてしまっているような印象が強いですね。

レオナ姫と同様に、こんな性急に進めていて視聴者にアバン先生への愛着をしっかりと刷り込めるのか?と、本当に甚だ疑問な3話でした。

演出が非常に淡泊

ダイの大冒険05

尺が足りないだけではなく、その短い尺の中でどうやってアニメとして見せて行くのかといった点でも本作品は問題を抱えていると言わざるを得ません。

というのも、基本的に演出が非常に淡泊というか、緩急が足りないんですよね。

例えば1話のニセ勇者一行が島のモンスター達を切り刻んでいる場面なども、そこに至る見せ方、そしてその場面での演出が極めて軽薄なので、ダイから見たその光景の悲惨さというものが今一つ伝わって来ません。

2話も尺は足りないは演出は淡泊だわで、本当に粗筋をなぞっているだけのような、そんな味気無さを感じずにはいられませんでしたし、3話は3話で各所の演出が非常にあっさりとしている事で印象に残りにくいアニメとなっているように思われます。

もちろん淡泊な見せ方が必ずしも良くないとは言いませんし、それが効果的に働く作品もあるでしょう。

しかし少なくとも本作品においては、ただでさえ尺が足りないことで駆け足であるのに、演出のエッジも効いていないという事で非常にノッペリとした印象になってしまっている点は否めません。

尺の無さを演出の工夫で補うような印象もないので、本当に表層を撫でるだけで淡々と進行して行く・・・そんな感じですね。

あとギャグ表現も淡泊、というかどういったスタンスで行きたいのかが今一つ定まってないような、宙ぶらりんな印象があります。

間抜け、間が悪い

ダイの大冒険06

演出が淡泊と表現しましたが、単に淡泊なのではなく、間の取り方がどうにも上手くないんですよね。

描き方にメリハリがないと言っても良いですが、本当に粗筋をなぞっているだけのような味気無さが目立ちます。

ようするに「間の抜けた描き方」になってしまっているんです。

まるで視聴者の感情の機微を全く意識していないような、淡々とタスクを消化していくだけといった趣で、感情を揺さぶられる事もなく時間だけが経過しています。

え?そんな呆気なく進むの?と唖然としてしまうような場面が多くて、気持ちが置いてけぼりになってしまいます。

正直な感想

本作はダイの大冒険に対する思い入れを横に置いておいたとしても、いちアニメとして面白いとは思えないというのが偽らざる感想です。

率直に言ってしまうと、今後この作品が盛り返して魅力的なアニメになる未来というものは全く想像できません。

本作は土曜の朝にテレビ放送されているようで、いわゆる「朝アニメ」なんですよね。

そういった点や作品全体の色使いなどなどを考えた場合、作り手はどちらかと言えばリアルタイムで10代前半以下の視聴者を念頭に置いた上で製作したと考えた方が妥当なのでしょう。

1話冒頭のネタバレシーンに関しては、既存のファンを想定したというよりは、子供向けを意識して分かりやすい伏線?として描いたという事なのかも知れませんね。

しかし、そんな事はなんの言い訳にもなりません。

この作品が子供たちに人気を博すようなビジョンが、自分には全く見えませんが?

子供が楽しめない作りになる事は朝アニメ的なコンセプトとしては当然避けるべきでしょうが、それは別に大人が楽しめない事を意味するものではありません。

今作がもし子供たちに受け入れてもらえるとしたら、それは本作の足りない部分を子供の想像力で補って貰えた結果と言うべきでしょう。

しかしそれはあくまでも「子供たちに許して貰えた」だけに過ぎません。

本来なら作り手がしっかりと作品の魅力をプレゼンしなければいけないのです・・・子供大人関係なく。

アマゾンのレビューを見る限りだと、映像的に整っている点を高く評価している人は満足度もそれなりに高いようですので、足りない部分(物語の緩急など)を脳内補完できる人であれば割と楽しく見る事が出来るのかも知れませんが、自分には今の所無理そうです。

3話切りも考えたんですが、せっかく愛着のある漫画が再びアニメ化されたわけなので、今後も暫くは期待度のハードルを地面に置いた状態で毎週土曜ごとにダイの大冒険に触れて行きたいと思っております。

昔のアニメ「ダイの大冒険」を見てみたら・・・

ダイの大冒険07

新作アニメが正直期待外れだったので、気になって旧作のアニメ「ダイの大冒険」を見てみたんですよ。

そうしたら、驚く事に旧作の方がよっぽど楽しく見れちゃいます(汗

もちろん映像的なクオリティーは30年近く前の作品という事を前提として見る必要がありますが、当時の製作環境で出来る事を色々と工夫して作られていた事を見ているだけでも感じ取れます。

色々と粗も多いので、この作品が当時においても際立った作品だったとは思いませんが、とりあえずちゃんと楽しめるだけでも随分とマシです。

とにかく物語としての間の取り方、尺が無い中でのメリハリの付け方などは断然旧作の方に軍配があがる有り様で、どうしてこうなった・・・と新作の方を見ながら複雑な表情を浮かべずには居られません。

といったわけで、個人的には旧作の方をガッチリ見ている今日この頃なのでした。

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©三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 ©SQUARE ENIX CO., LTD.
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